Jeff Beck's Guitar Shop with Terry Bozzio and Tony Hymas [僕のロック]

 1989年の作品。ジェフ・ベックがトリオを配して世に健在ぶりをみせ
つけた意欲作。

 1980年代のロックは音楽的な収穫や、創造性などで不作であり退屈
だった、という意見を聞きます。たしかに、80年にはツェッペリンが解散
しましたし、83年にはフーも解散してしまいました。ジョンは殺されてしま
うし、そういう意味でも、80年代は負を引きずった年代だったと思います。
しかし、そんな80年代にも作品の高みを獲得した素晴らしい作品があり
ます。ジェフ・ベックス ギターショップです。

 前作のフラッシュでハイテクサウンドを目指すも、バランスが今ひと
つで、空回りした感が拭えませんでしたが、さすがジェフ・ベック。この
ジェフ・ベックス ギターショップでこれぞ、という作品を届けてくれました。

 フラッシュから、ギターショップ制作時にかけてジェフは「若い奴らに、
本物のロックを聴かせてやるんだ」と言っていました。
ここで聴くことが出来る音の塊は、この先何十年経過しても、決して古び
ることのない出来栄えとなっております。
特に感じるのは、トリオという形態が反映しているため、攻撃的で挑戦的
な箇所が随所に見受けられる点です。それは脇を固めるコンポーザー兼
キーボードを操るトニー・ハイマス、そしてあまりにも独創的でパワフルな
ドラマーであるテリー・ボジオの存在が大いに貢献している為であります。
ちなみに私が、この後99年にリリースされたフー・エルスが好きではない
のはギター・ショップがもつ、こうしたスリリングさが欠け、かつ他のメンバ
ーの存在感が希薄に感じられる為です。

 さて本作、いきなり斬新なリズム展開でハイスペックな演奏が堪能で
きるギター・ショップ、ヘヴィ・ロックとロカビリーを調合したサヴォイ、
ジェフ・ベック的レゲエミュージックのビハインド・ザ・ベイル、なんとなんと
ハウスミュージックを叩きつけたデイ・イン・ザ・ハウス、疾走感が存分に
味わえるスリング・ショット、そして極めつけは、天までその音が鳴りひびく
スタンド・オン・イットと、全ての楽曲が高い次元まで登りつめています。

 バンドの動向として、この年すぐに来日し素晴らしい熱演を披露してくれま
した。その後、アメリカでスティーヴ・レイヴォーンとのジョイントツアーを行い、
1995年にはサンタナとのツアーに同行していますが、スタジオ作品としては
この一枚を残し解散してしまいました。




日本での発売当初は、正式なデザインが間に合わず下記の絵柄となってい
ました。急場しのぎのアートなのでしょうが、私は気に入っています。
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正式なジャケットデザイン
iabloaace.jpg

みてください、この三人の不敵な面持ち。カッチョいいです。
Picture1.jpg


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テル

yukkyさん

niceありがとうございますだァ!(笑)
by テル (2011-01-14 23:11) 

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